自分の手で創ったものを愛す

今日は活版印刷の会社を見に行ってきました。


活版は小学生の頃、「銀河鉄道の夜」を見て以来、ずっと気になっていて
ジョバンニが集める活字がハコに入った時の音とか、あの薄暗い印刷所の雰囲気とか、そして印刷機が紙を刷り上げていく音とか…


本当に思い出しただけで心がぞわぞわしてくるものがあります


そんな活版は、一時は衰退して風前の灯といった感がありましたが


現在はレトロブームと言いますか、その味わい深いところが俄にウケて


活版はデザイン業界やその他一般の人にもまた受け入れられつつあります


とは言っても、都内で活版をやっている会社はもうそうそうなく、


今日勝手に訪問した弘陽もそんな貴重な活版工場の一社です。


突然やってきた私に弘陽の主人であるおじさんはとても親切で、


ご自分が担当なさったお仕事の数々をとても嬉しそうに見せてくれました。


すこし活版について話が聞けたらいいな、くらいのつもりの訪問が


なんだかんだ2時間も話し込んで


どこの馬の骨とも知れない娘ッ子におじさんは活版の良さを延々と語ってくれたのでした。


その世界のことについてほとんど知識のない人に自分の仕事について何時間もその良さを語れるというのは


それだけ自分の仕事に誇りをもっているということです


そういう仕事に就けるというのはなかなか無いことなのではないでしょうか


まだ就職先も決まらず、この先どんな業界に行くのかもあやふやです
でも
大変だ、儲からない、地味な仕事だ、
そう言いながらも自分の仕事を愛せるような人になりたいと思います