願わくば5000年ものに

オリエント博物館に行きました。

池袋のサンシャインシティの上の方にある、オリエント文化を主に扱っている博物館です。


そこの学芸員のおばさんは早口で、けっこう強気な感じだったので、
一緒に行った小学生たちはたじたじな感じだったけど


でもその学芸員さんの話でひとつだけ印象に残ったことがあるので紹介しようと思います。


メソポタミア文化について話してもらっていた時のことです
楔形文字の粘土板について話してくれました


「この粘土板は5000年も昔のものです。
この粘土板は5000年も昔のものだけど、
それでも今の人たちがここに書いてあることを知りたいって思ったから
ここにあります。
それは、この粘土板が5000年も時を越えても、
知りたいって思わせるものだからです。
同じように当時の記録を残すものでも消えていくものもあります。
たかが10年くらい前の話ですけど、
パソコンの前にはワープロってものを使ってました。
ワープロの頃にはフロッピーってものを使っていたんです。
でもいまもうフロッピーなんて見ませんよね」


確かに、家の中を年末に大掃除などしていると
一体何のデータが入っているのかいまはもう確かめようのない
フロッピーディスクが出てきたりすることがある


5000年残り続けるものと
10年で消えていくもの


そこの差は一体なんなのだろうか


5000年もの時を越えて残り続けるものを自分が創り出せるとは思わない
私はそういうタイプの人間ではない


でも、願わくば、
ここまで残ってきて、この先5000年も残り続けるような
そんな素晴らしいものを私も繋ぎたい


その5000年生き残るもの自体をつくるというより、
その5000年ものの技術や考え方を
引き継いで、次に繋いでいきたい
その5000年の一端に私も携わりたい


そう思った


友達と遊んだ帰り道、
友人がデジカメを取り出してビデオレターを取り出した


「10年後の自分たちにメッセージを、」
何の気無しに言ったのだろう、
でも
私も誰かの10年ものの友達くらいにはなりたいなと思った




あー でも
欲言えば、50年ものの友達になりたいな