みせかた

大学の美術館が新しくなってから初めて展覧会を見に行った


いままでも、イメージライブラリーへ行くのに何度も美術館を通っていたけど、
通り道にしていただけで、


その度に美術館窓口の方が「ありがとうございましたー」と声をかけてくれるのを
申し訳なく思っていた


新しくなった美術館は展示室が全部で6つほどある


現在開かれている展覧会は
「WA:現代日本のデザインと調和の精神」
ムサビのデザイン」
中村とうようコレクション」
の3つである


どれも展示内容・展示の仕方ともによかった


上記の2つの展覧会に関しては、
展示の仕方が非常にきれいで、美しかった
デザイン展だから、デザインされたものが並んでいるのだが、
その展示されている空間そのものが非常によくデザインされていた


とくに、「ムサビのデザイン」展の方では野暮ったく見えがちな段ボールパネルが
非常にうまく使われていて、
段パネもこうやって使うと「美しい」と言えるものになるのだな、と感心した


中村とうようといえば、先日自宅から飛び降り自殺して亡くなってしまったが、
このタイミングでなくなったことを思うと、
自分のコレクションが無事に寄付され、素晴らしい展覧会が開かれたことを見届け、
安堵の中での旅立ちだったのではないかと思わざるを得ない


壁に貼られた章ごとの説明は、中村とうようの語りをそのままに活かし
まるであたかもいまここでとうよう氏が語りかけているかのようである


私は美術館で図録を買ったことはなかったのだが、
今日は迷わず買った
こうやって一人の歴史がこれからも生き続けていくであろう学校に繋がっていくことは
その人の命が繋がっていくことと同じである


久しぶりに我が母校を誇らしく思った日だった
このような素晴らしい美術館があり、素晴らしい収蔵作品があり、
オープニングにふさわしい展覧会が開かれている


ぜひ多くの方に足を運んでもらいたい
ただの学校にある付属の美術館と侮るなかれ、