九月末の黄色い花
高校生の頃、クラスメイトに将来どんな人になりたいかと聞かれた
「夜中の3時にいまからちょっと吉野家まで来てよ、って言って吉野家に行けるような友達のいる人間」
って言ったら
「意味が分からない」
と言われた
わからないか、
ならそれはそれでいい
きのう、
友達と「悩める会でもするか」って言って
22:00に友達の最寄り駅に集合した
友達の家で、ソファに横たわりながら
友達がスカイプで会議をしているのをうつらうつら聞いた
悩める会をしようって言って集まったのに
結局大して悩みみたいなことは話したりしなかった
ぼんやりくだらないことを話して、朝を迎えて、
大きな窓から多摩川を眺めながらあつあつのコーヒーを黙って飲んだ
それで家に帰ってきた
それでもだんだん隣で友達が息を吹き返してくのが分かったからいいんだと思う
家に帰ってきて自宅の庭を見た
数日前、
「来月末には家で育ててる飾りカボチャが収穫できるだろうから、
家へ来てカボチャを彫刻しに来て心を休めたらいい」
と言っておいた、と母に伝えたら
母は「かぼちゃを人工授粉させておくね」と言ってくれた
かぼちゃの花がしおれていた
乾いたみどりの中でまっきいろの花が小さくなっていた
まだ、カボチャの実はできていないらしかった