阿佐ヶ谷

今回、自身の卒業制作短編映画『紙芝居屋の女主人』を撮影するにあたって
何度も阿佐ヶ谷へ足を運んだ


それまでは一度も訪れたことのなかった阿佐ヶ谷に何度も足を運び、
撮影地を探し歩いた


何回も行ったのに、撮影許可をもらう段になると緊張して
店の前をウロウロするだけで終わってしまったり、
心の中でいろいろ言い訳してうやむやにしてしまったり


でも、実際にスタッフやキャストとして手伝ってくれる人に会ったら
少し安心した
少し安心したら焦りと不安だけだったのが
少し楽しみになった


撮影許可をもらいに何軒も店を歩いて回って
全然相手にしてもらえなかったり、怪しがられたり


でも絶対にココ!と思ったところが快く撮影を許可してくれた時には
それだけでもう映画は成功したような気がした


直前になって撮影地がNGになったときは目の前が真っ白になったけど
何か運のようなものが味方してくれて
不思議と撮影地は見つかった


キャストも最後の最後までもうこれは見つからないかもしれないと思ったけど
誰かが必ず助け舟を出してくれた


スタッフもキャストも敏腕ばっかりで
わたしが口にする前からわたしが欲しいものを汲んでくれた




本当に嘘みたいに必ず助けられた




これだけ上手くいかせてやったんだから、あとはあんたが頑張る段なんだ
と何かが言っているようだ


だからそれに従おうと思う


これだけ準備は整った
すべては揃った
あとは私がどうつくりあげていくか



撮影中、印象的だったことばを。


みんなの手を借りて心苦しいばかりだと漏らした。


「でも、自分の映画を手伝ってくれる人がいるのって嬉しくないですか」


申し訳ない、と思うのではなくて
ありがたい、と思えばいいのか



当たり前のことかもしれないんだけど
目から鱗が落ちた



これだけ多くの人が陰となり日向となり手を貸してくれた
それはとても幸せなことだと思う
その気持ちを忘れないで
最後までやりきれたら「卒業制作」って呼べる気がする