2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

二万二千西域記 ーその3

翌朝、なにはともあれと銀行へすっ飛んでいったが、銀行はまだ開いていなかった。ロビーには入れたので座っていると最初にやってきた銀行員のおばさんに怪訝な顔をされ、換金しにきたのだ、何時に開くのかと尋ねると九時だという。携帯画面をみるとちょうど…

二万二千西域記 ーその2

真上のベッドの客がかなり遅い時間に出入りしていたことと、かなり豪快ないびきをかいていたこともあって完全に寝不足のまま西安の二日目は始まった。駅までバスに乗ったことで、ようやくバスが一律一元であることが分かった。これでこの先は不安なくバスに…

二万二千西域記 ーその1

目を覚ますと、眼下はあたり一面まっ白い雲の海だった。白い海に潜るたび、大きな機体が上下左右に大きく揺れる。見たこともないほど大きな入道雲がそびえていて、潜っても潜っても、雲の海は下へ下へと続いていた。そして何層目かの白い海を潜り終えたとき…